マンションやアパートなどの集合住宅において、インターネットを契約する際は、集合住宅向けのインターネット回線業者(ISP)を利用します。

本記事では国内でおすすめの集合住宅(マンション・アパート)向けのインターネット回線(ISP)や具体的な選び方について、おすすめの4社をもとに解説していきます。

集合住宅向けインターネット業者を選ぶ際の重要比較ポイント

ここからはマンションやアパートなどの集合住宅向けインターネット業者を選ぶ際に重要な比較ポイントについてご説明します。

初期費用・月額費用を含めたトータルコスト

集合住宅向けのインターネット業者を選定するにあたり、初期費用などの導入コストや月額の利用費用などの維持費を含んだトータルコストは、重要なポイントです。

「トータルコスト」を重視する必要がある理由は、それぞれの料金体系が各社で異なっているからです。

例えば、定期的に実施される保守点検費用を月額料金に含んでいる業者もありますが、各費用が別途請求されるケースもあります。

別途請求される業者で尚かつ、月額料に込みで提供されているプランよりも安い場合お得に感じるかもしれませんが、総合的なコストから考慮すると結果的に高くついてしまう場合もあります。

このため、月額料金や初期費用の安さをアピールしている業者に目が行ってしまいがちですが、最終的な目的は トータルコストを抑えることを意識しておくべきです。

アパートやマンションなどの集合住宅にインターネットを導入する場合、契約手数料や工事費用などの初期費用や維持費として毎月支払いを行っていく月額料金は、業者により大きく異なります。

このため、月額費用の相場は約1万円から3万円で、月額費用の中には、定期点検などの保守費用が含まれている場合があります。また、初期費用においては1棟当たり5万円、保守費用については1棟当たり500円ほどの費用がかかります。

回線速度

各インターネット業者が公表している「最大◯◯Gbps」などの回線速度は、ベストエフォートの値に準拠しています。各社が提供している回線速度で代表的なものは「最大1Gbps」や「最大10Gbps」などです。

実際の通信速度にどれくらいの影響が出るかは、それぞれのユーザーが投稿している実測値に左右されます。

一般的にはベストエフォート値が高ければ高いほど、実測値も高くなる傾向にあります。

なお、マンションやアパートなどの集合住宅においては、主となる回線から分岐できるのは最大で32分岐までとなっています。

最大1Gbpsのインターネットプロバイダーを契約した場合、32戸全ての利用者がインターネットを同時に利用して出せる回線速度は1,024Mbps÷32=最大32Mbpsとなります。

計算上のベストエフォート値で32Mbpsの場合、実測値はもっと低くなるということですので、仮に入居者全員が同じタイミングでインターネットを利用した場合に出せる速度はかなり遅くなることが分かります。

夜の時間帯に「ネットが遅い」などのクレームや口コミ が投稿されやすいのはこのためです。

このような問題を解決するため、仮に10Gbpsのインターネット回線を引いておけば、仮に居住している全ての利用者が同時にインターネットを利用したとしても、従来型1Gbpsの10倍である、320Mbpsがベストエフォート値において出すことができるようになります。

このため、長期的な運用をご検討の際は、最大速度1Gbpsではなく、2Gbpsや10Gbpsの超高速インターネットも視野に入れるとよいでしょう。

以下の業者では、最大10Gbpsの超高速インターネット通信が提供されています。

  • フレッツ光クロス

  • auひかり

  • NURO光

  • フレッツ光クロス対応の光コラボ(ドコモ光 最大10gbps ソフトバンク光 最大10gbps)

  • eo光【関西エリア】

  • コミュファ光【東海エリア】

  • ピカラ光【四国エリア】

  • BBIQ光【九州エリア】

アフターフォロー

インターネットプロバイダー(ISP)が提供しているアフターフォローの種類には、以下のようなものがあります。建物の運用に関わる重要なポイントのため、チェックしておきましょう。

アフターフォローの種類 特徴

入居者からのお問い合わせ対応(コールセンター)

  • プロバイダーで運営している「コールセンター」
  • 24時間対応のプロバイダーがおすすめ
遠隔管理システム
  • システム本部による一元管理
  • インターネットのトラブルに対応
障害対応・メンテナンス サポート
  • 通信障害時の遠隔サポート
出張サービス
  • 通信障害時の現地対応・出張サービス
  • 機器の故障修理対応
のぼりや看板の無償提供
  • 入居予定の方、また入居者様に配布するインターネット関連のチラシ作成
  • 物件前に設置するのぼりの作成対応
接続ガイドなどのサポート資料の配布
  • LANケーブルの初期設定方法などを記したサポート資料の配布
  • 公式サイトからの資料配布
  • 管理会社からの配布

アフターフォローサービスが充実していれば充実しているほど、安心して建物の運用を続けていけます。

特に注意すべき点は、コールセンターや出張対応・遠隔サポートの受付時間です。

これらは各社で時間帯が大きく異なっており、24時間コールセンターの受付に対応しているところもあれば、平日の10時〜17時までと、勤務とかぶってしまう時間帯しか受付を行っていないプロバイダーもあります。

後者の場合、もし平日に勤務する入居者様がトラブルに遭い、受付時間が17時までとなっていると、いつまでたっても接続不良の問題を解決することができません。

このため、より入居者様のトラブルを防ぎたい場合は、24時間受付に対応した、インターネット業者を選定する必要があります。

オプションサービスなどの付加価値

各インターネット業者で提供されているオプションサービスには、以下の様なものがあります。

  • 「固定電話やテレビ」などの付帯サービス

  • 居場所確認・家電遠隔操作などの「くらしに役立つサービス」

  • 「安心ネットフィルター」などのセキュリティサービス

  • 無線LANの「機器レンタル」サービス

  • 無線LANに接続できる時間帯をコントロールできる「利用制限」サービス

  • 入居する世帯全員分のメールアドレスを発行できる「メールアカウント」サービス

  • マンション専用の情報を提供できる「ポータルサイト」サービス

  • サービス内容や料金・工事などの導入を検討されている方々へ、「プランを丁寧に説明」するサポートサービス

  • パソコンの利用方法やインターネット接続に関する悩みを解決する「有料出張」サービス(ヘルプデスク)

  • 日常生活での「緊急トラブルに対応」するトラブルサポートサービス

  • マンション向けの「コンシェルジュ」サービス

  • 防犯カメラなどの「IoT一括管理」サービス

各プロバイダーによって、提供しているオプションサービスは異なってきます。

場合によっては、入居者が欲しいと思っているサービスが提供できなくなる可能性もあるため、なるべく多くのプロバイダー公式サイトをチェックし、入居者様に最適のサービスを提供できるよう、体制を整えておく必要があります。

集合住宅向けインターネット業者の探し方

ここからは、マンションやアパートなどの集合住宅にぴったりのインターネット業者の探し方について解説します。

ネットで検索する

ご自身の物件に最適なインターネットを導入したい場合は、まずインターネットで検索を行い、気になるインターネット業者を複数ピックアップします。

ピックアップを行った後は、サービスの通信速度や評判について詳しくチェックし、場合によっては展示会へ出向いたり大家会で相談するなどして実際の使用感を確認する必要があります。

展示会へ出向く

一括型インターネット設備に関する展示を行うイベントへ出向くのも、一つの手です。

展示会には、数多くの企業がIT化やデジタルトランスフォーメーションに即したシステムの紹介や、インターネット設備の紹介が行われています。

住まい・建築・不動産の総合展【BREX】において、一括型インターネット設備の取扱いがある展示は、日本総合技術株式会社の1社のみとなりますが、インターネット導入の他、マンション管理IoT化サービス-モバカンや、無料で使えるAI査定賃料システム-スマサテなど、近年のAI化にマッチした展示を多数を行っています。

大家会や大家友人から紹介してもらう

インターネット回線の導入の実情や実際の使い心地について把握したい場合は、大家会で共有されている情報や大家会で出会った友人から紹介してもらった情報を参考にする方法が有効です。

大家会についてですが、「全国大家の会」と呼ばれる ポータルサイトを参考にすれば、全国にある大家会を把握することができます。

また大家主催の勉強会・セミナーで知り合った大家さん経由で、大家会に参加する方法もあります。

ポータルサイトの情報を参考にする

ポータルサイト名 掲載情報
全国賃貸経営新聞

サービス提供戸数、12.9%増【拡大続く全戸一括型インターネット】

家主と地主 ニュースリリース 『月刊 家主と地主』7月号 当社集合住宅向けISPサービス紹介記事掲載のお知らせ
楽待 イマドキ入居者が選ばない、残念な「無料インターネット物件」の問題点
賃貸トレンド 集合住宅向けネット接続、優先ゲートで速度安定

「全国賃貸経営新聞」「屋主と地主」「楽待」などのポータルサイトの情報も参考にしてみましょう。

ここでは、各ポータルサイトのマンションやアパートの集合住宅向けインターネット業者(ISP)に関して掲載されているサイトについてまとめました。

不動産専門のポータルサイトでは、マンションやアパートなどの集合住宅に適したインターネット業者やプロバイダーをより専門的に取り上げています。

実地に即した情報をダイレクトに入手できるため、実際の不動産経営に役立つ情報を多く得られます。

おすすめの集合住宅向けインターネット業者4選

1.レジデンシャルインターネット

概要 特徴
サービス名 RIXIO(リクシオ)
公式サイト https://residentialinter.net/service/rixio
初期費用 無料
月額料金 10,000円〜/棟
回線速度

ベストエフォート式:1Gbps(1,024Mbps)

※接続方式:有線・無線

アフターフォロー

【コールセンター】24時間365日対応

【出張サポート】平日10:00〜17:00

オプション
  • ネットワークカメラ

  • 宅配ボックス

  • IPインターホンなどのIoT設備

導入可能エリア 東京・埼玉・千葉・神奈川・北関東※・山梨※・ 静岡※ (※一部地域を除く)

インターネットインフラを多く手掛ける「レジデンシャルインターネット」では、賃貸住宅のIT・IoT化をトータルサポートしています。

特に賃貸物件オーナー様や管理会社様へ提供している集合住宅(アパート・マンション)向け入居者無料インターネットサービス「RIXIOリクシオ」の評判は上々で、首都圏を中心に約80,000室の導入実績を誇ります。

クラウド保存タイプのネットワークセキュリティカメラや宅配ボックス、スマートロック、IPインターフォンなどの各種IoT設備も充実しているため、設備全体の老朽化にもうってつけのインターネットプロバイダーとなっています。

また、サポート体制も申し分がありません。入居者様からのお問い合わせ対応に使用されるコールセンターは、24時間対応しています。入居者様に、何らかのトラブルがあった場合も、迅速に対応することができます。

また機器や契約内容によっては、ネットワークの機器が故障した際に無償で交換可能なサービスも利用できます。

注意点としては、導入可能エリアが関東近辺に限られていることが挙げられます。特に、北関東・山梨・静岡では一部地域において利用できなくなっているため、注意が必要です。

2.ファイバーゲート(FGBB)

概要 特徴
サービス名 FGBB(株式会社ファイバーゲート)
公式サイト https://netfree.jp/
初期費用 無料
月額料金 5,000円程度〜
回線速度 1Gbps(1,024Mbps)以上の光回線
※建物の状況やエリアによっては2Gbps 以上可能
IPv6対応
アフターフォロー

【チャットサポート】24時間365日
【接続設定方法に関する動画解説】
【フリーダイヤル(導入に関する問い合わせ)】平日10:00〜19:00(土日祝定休)

オプション
  • テレワーク対応マンションプラン

  • ネットワークカメラ

導入可能エリア 全国

株式会社ファイバーゲートが提供しているマンションWi-Fi入居者無料サービス「FGBB」では、初期費用無料で物件全体をWi-Fi無料にすることができます。

本プロバイダーの魅力は、面倒な工事手配や入居者様との調整アフターフォローなどが一挙で解決される点です。

これはメンテナンスやサポート体制が充実しているためで、日本全国の賃貸物件において導入可能となっています。また、2024年3月現在の導入実績は全体で60万戸と圧倒的です。

使用するWi-Fi機器は、電波干渉にも強い5GHz帯に対応した「壁埋め込み型Wi-Fi」で、室内の見た目もすっきりします。

通信速度については、エリアによって2Gbps以上と、一般的なプロバイダー以上の品質の光回線を利用可能です。

またFGBBでは、強固なサイバーセキュリティ対策まで対応した「テレワーク対応マンションプラン」をご用意しています。加えて大容量回線の導入で安定した通信環境が構築されているため、圧倒的な速さで高速プランを利用できます。

3.ギガプライズ

概要 特徴
サービス名 ギガプライズ(株式会社ギガプライズ)
公式サイト https://www.gigaprize.co.jp/
初期費用 要問い合わせ
月額料金 要問い合わせ
回線速度 最大速度 1Gbps
アフターフォロー 【電話・メールでのテクニカルサポート】要問い合わせ
【インフラ監視】24時間365日対応
【福利厚生サービス】会員費無料
導入可能エリア 北海道から九州までのエリア(実績に基づく)

株式会社ギガプライズが提供する集合住宅向けISPでは、充実したサポート体制のもと、入居者が快適にインターネットを利用できる環境を構築可能です。

ギガプライズは、北海道から九州までの全国を幅広くカバーしており、これまでに105万戸超えの導入実績があります。

テクニカルサポートは24時間365日対応しており、障害発生時にも安心の体制です。

なお、 ISPにおける設備導入やカスタマーサポートは OEM提供先ブランドにて行われており、組織運営の効率化も図られています。

また、設備の提供において使用されるルーターやハブ、埋め込み無線AP(アクセスポイント)などの機器は全て、ハイスペックのものを採用しています。

4.未来ネット

概要 特徴
サービス名 未来ネット(株式会社未来ネット)
公式サイト https://mirainet-nagoya.com/
初期費用 無料
月額料金 要問い合わせ
回線速度 最大速度 10Gbps(IPv6の性能に基づく値)
アフターフォロー

【コールセンター】24時間365日対応

【看板無料取り付け・入居者様向けパンフレット配布】

オプション
  • 防犯カメラ

  • 宅配ボックス

導入可能エリア 要問い合わせ

「未来ネット」は、集合住宅向けネット設備のスピード導入が可能なインターネットプロバイダーサービスです。

Wi-Fi6・IPv6に対応の最新機器を自社で豊富に取り揃えており、最大通信速度10Gbps(IPv6に基づく)を実現しています。

入居者様とのトラブル対応などのマンションやアパートなどの不動産経営にとって嬉しい機能を豊富に備えており、空室解消率は98%を記録。なお、初期費用は無料で、手軽に始められます。

施工に関する打ち合わせを行う際やスケジュールを練る際は、専任の新築担当が建築会社様との連絡や折衝を行ってくれるため、オーナー様の負担も軽減される工夫がなされています。

加えて、防犯カメラや宅配ボックスなどの設置にも、業界最安値で対応しており、空室対策に有効なオプションプランが充実しています。

集合住宅向けインターネット業者契約でよくある疑問点

ここからは、マンション・アパートなどの集合住宅向けインターネット業者の契約でよくある疑問点について触れておきます。

個別契約は可能ですか?

本記事でピックアップしたインターネットプロバイダーサービスでは、基本的に入居者様による個別契約が行うことができません。

ISPはマンションやアパートなどの集合住宅を運用されているオーナー様向けのサービスとなります。

アパートやマンションへ入居される個人の入居者様がプロバイダーを別途を契約したい場合は、入居中の建物のオーナー様へ直接問い合わせを行うなど、個別で対応を取ることをおすすめします。

工事にかかる期間はどれくらいですか?

一般的に集合住宅(アパートやマンションなど)へインターネット設備を導入する際は、1ヶ月以上の工事期間を要します。

短い業者では、1ヶ月程度での導入が可能となっており、本記事でピックアップしたプロバイダーの中では、自社で部品の施工などを行っている未来ネットさんがおすすめです。

まとめ

本記事では、マンションやアパートなどの集合住宅向けのおすすめインターネットプロバイダーサービス(ISP)の選び方や、おすすめの業者4選についてご紹介いたしました。

集合住宅のネット速度が遅くて気になっている・新たに 集合住宅向けのインターネット設備を導入したいなどの考えや悩みを持っているオーナー様は、今回ご紹介した業者を検討してみるといいかもしれません。