Step1でも述べましたが重要なことなので繰り返して言います。「なんとなく儲かりそう」という感覚で民泊を始めることはやめましょう。
民泊経営は他の業務と同じように知識、努力、工夫が必要であることを理解してください。
しかし、大きな魅力がある事業ですので、このStep2では、安定した経営を行っていただくために「転貸と保有の違い」と「合法民泊の種類」の要点を初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
言い換えると民泊を経営するために「不動産を借りるのか、持つのか」、「どのような法律が関係しているのか」などについて理解を深めていただきます。
これらを学んでいただくことによって、トラブルを避けるとともに効率的な経営の基礎固めになります。
目次
1.転貸と保有の違い
民泊を行う上で、経営者自身がどのような不動産資源を活用するのかを選択していただく必要があります。
その選択肢は「転貸」か「保有」かになりますので、それぞれの相対的なメリット・デメリットを見ていきます。
①転貸
他者が所有する物件を「経営者が借りて更に貸す」ことになります。
メリット :物件選択がしやすい、初期費用が低い、撤退がしやすい。
デメリット:収益性が低い、建物所有者の意見に左右されるなど自由度が低い、担保がないため借り入れがしにくい。
②保有
経営者自身が以前から持っていたり、新たに購入する物件を民泊利用者に貸し出す方法です。
メリット:収益性が高い、経営者の自由度が高い、信用度が高いため借入れがしやすい。
デメリット:初期費用が高い、借入による金利負担がある。
他にも売却するときに不動産価格の変動リスクがあります。
民泊初心者の方には、初期投資が少なく、好成績が出せない場合も撤退しやすい転貸を選択されることをお薦めします。
自分で物件を保有されている方については、立地条件が良ければ、初期投資が抑えられるのでリノベーションをして始めることができます。
実績があり資金に余裕がある方については、新たに物件を購入して運営することにより、高い収益をめざす方法も選択肢に入るでしょう。
2.合法民泊の種類
日本は法治国家ですからこの社会は様々な法律で成り立っています。
民泊にも関係する法律がありますので、事業を始める前にどの業態が皆さんの経営に向いているかの判断をする材料にしてください。
最初に各法律に基づく制度の概要を説明します。
①民泊新法
「民泊新法(住宅宿泊事業法)」は2018年6月に定められた法律です。
従来は、住宅であっても有償で繰り返し宿泊所として提供する場合は「旅館業」として扱われ、旅館業法に基づく許可が必要でした。
しかし、海外からの観光客の増加に伴い、民泊がホテル不足の実質的な補完的役割を果たしていたことから、新たに民泊サービスの枠組みを定めた民泊新法が施行されました。
これにより住宅宿泊事業者として届け出れば、住宅を民泊施設として提供できるようになったのです。
従来の旅館業・簡易宿所や、国家戦略特区で運営する民泊に当てはまらない形態で営業される民泊は、民泊新法で規定されることになります。
民泊新法において営業するための宿泊施設は、居住用家屋を宿泊施設として利用することができるようになっています。
参入のハードルは高くありませんが、年間営業日数が180日以下に限られますので、効率的な経営が求められます。
②特区民泊
「特区民泊(国家戦略特区法)」は2013年12月に定められた法律です。
日本の成長戦略の柱として、地域振興と国際競争力の向上を図るために指定されている経済特区のことを、国家戦略特別区域(国家戦略特区)といい、さまざまな特例が適用となります。
国家戦略特区と言われる地域内で主にインバウンド(訪日外国人観光客)向けに宿泊施設を提供する宿泊業態の特区民泊は旅館業法の特例として要件が緩和されていますが、国が定めた国家戦略特区内という限られた地域でしか営業が認められません。
③簡易宿所営業
旅館業法の許可を得て行う旅館業は「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」に分類され、客室の床面積、フロント設置義務、入浴設備、換気等の設備などに関する基準が定められています。
民泊サービスを提供する場合は、旅館業法の簡易宿所営業として民泊許可を得るのが一般的です。
3.民泊に関わる法令の種類
次に3種類の民泊に関連する法律の概要を示します。
各法令に基づき、それぞれの地域や法規、土地の条件に合わせた行政手続きが必要です。
①民泊新法(住宅宿泊事業法)
a 許認可:届出(原則、書類の提出だけで可能)
b 最低宿泊数:制限なし
c 営業日数(年):180日以下
d 消防設備等:必要だが50㎡以下は不要
e 住居専用地域も可能
②特区民泊(国家戦略特区法)
a 許認可:許可(審査をされて不許可もあり)
b 最低宿泊数:2泊3日以上
c 営業日数(年):制限なし
d 消防設備等:必要
e 住居専用地域は不可(一部例外あり)
③簡易宿所営業(旅館業法)
a 許認可:認定(審査をされて不認定もあり)
b 最低宿泊数:制限なし
c 営業日数(年):制限なし
d 消防設備等:必要
e 住居専用地域は不可
まとめ
Step2では、民泊を始めるための基礎固めとして
・「転貸」と「保有」の違い
・3種類の合法民泊:「民泊新法」「特区民泊」「簡易宿所営業」
などについて解説しました。
この内容は効率的な経営を行う上で非常に重要な項目になりますので、それぞれの特徴を確認し、経営方針、費用対効果、リスク・リターンなどを勘案して適切な選択をしてください。