建築プロジェクトは多数の変動要因に影響されるものです。

特に仕様変更の反映漏れは一見、小さな問題ですが、工期・コスト・建築会社側の負担などチリも積もれば何とやらでプロジェクト全体に大きな影響を及ぼすことがあります。

▼トラブルの詳細解説

建築業界では従来から多くの作業がアナログ方式で進行していて、新しい建材使用や図面変更がプロジェクト途中で行われるのは日常的にあります(口頭、電話、膨大なメールでのやり取りなど)。

建築設計は建築プロジェクトの最も上流であり、変更が設計図面に反映されない場合(大家のチェック体制も不十分な場合は特に)、最終的に建築物が意図した通りに完成しないリスクが生じます。

このような問題は、アナログな方式でのやり取りゆえに、履歴・証拠が不在となることが多々あり、建築士や建築会社がお互いに責任逃れをする場合もあります。投資家にとっては当初想定の戸数・面積・仕様が変更されることでコスト増額など頭痛の種となるのです。

仕様変更が建築士から建築会社に正しく伝えられない、または、どのフロー・ドキュメントが最新か、それらが建築会社+建築士+大家間で明確になっていない。また変更時にどのような承認体制となっているかが不明瞭で双方が勝手な解釈で進めている。こうした結果、最終的に大家の当初想定と異なる結果になる可能性があります。

このような誤解は、後になって大きなコストと時間の無駄につながりかねません。

▼具体的な予防策と対応策

建築プロジェクトが始まった場合、関係者が定期的に集まり、協議するMTGを設定してください。

これにより、重要な確認・決定が遠隔アナログ方式(電話、メールなど)で済まされず、必ず大家の定期的な承認ルートが確保され、「言った、言わない」に加えて「知ってる、知らない」の問題を未然に防ぎます。

また、議事録作成を必ず行い、確認・決定したことは関係者が独自の解釈をしてしまわないよう、参加者全員の署名または承認をもらいましょう。

変更事項に関しては、関連するすべてのステークホルダー(建築士、建築会社、大家)の署名を得て、関係当事者の責任範囲を明確にして、問題を未然に防ぎます。

投資家自身が定期的に建築現場を訪れ、実際の工事進捗状況と設計図面・記録との整合性を確認することが重要です。

建築士の業務ではありますが、彼らの業務は管理ではなく、「監理」であると理解した上で、施工管理(日常管理)<大家(定期管理)<建築士(監理)というチーム体制を敷くことで建築士が不在となりがちな現場での情報収集についてフォローアップし、不明点があればすぐに指摘します。

すべての仕様変更には事前承認プロセスを設け、どのような変更が必要か、どのような変更は建築士だけの承認で良いのかor大家の承認が必要なのか?その変更がプロジェクトにどのような影響を与えるかを明確にします。

また、変更が必要になった理由と、その承認を文書化し、追跡可能にすることで責任範囲を明確にし、後日の紛争があった場合にも誰の責任領域なのかを明確にします。

特にドキュメント管理に対しては建築士、建築会社に任せるとお互いが自由に管理し始めるので、命名規則を設定したほうが良いでしょう。

リスク判定表(リスク=影響×頻度)

【リスク判定ごとの説明一覧】