不動産投資における期限の利益喪失……つまり融資金の一括返済は、大家にとって深刻な銀行トラブルのひとつです。
このトラブルは、手形貸付の不渡り、法的紛争に起因する差押/仮差押、さらには意図しない反社取引など、複合的な問題が絡むため一概に発生率を予測することは困難です。
▼トラブルの詳細解説
人生/社会的存亡に関わるリスクの高さを理解します。期限の利益喪失は、大家にとっては個人であれば自己破産、法人であれば倒産と、大家及びその家族を取り巻く人生に多大な困難を強いる重大な問題です。
手形貸付における不渡り、法的紛争による銀行口座・不動産の差押・仮差押、また反社会的勢力との取引が原因で一括返済が発生トリガーとなりえます。
ケース別のリスク発生率は予測できません。これらの問題は予測が難しく、一度問題が起きるとその影響は計り知れず致命的なレベルになります。事後対応ではなく、事前の徹底した予防・回避対策が必要です。
一度でも期限の利益が喪失すると、融資金に対する通常の分割払いをする権利が失われ、残債一括返済が要求されるため、資金繰りに極めて大きな圧力がかかります。
▼具体的な予防策と対応策
新築不動産投資では常に手形貸付は避け、建築期間中は証書貸付を選択することが望ましいです。工事遅延、工務店倒産などトラブル発生時に銀行交渉が難航した際に、手形貸付中の銀行交渉不調での一括返済リスクを避けるため、借入打診段階で明確に証書貸付を希望することを銀行に伝えましょう。
差押、仮差押のリスク管理については、不動産賃貸業を行っている場合、通常は損害賠償請求の対象となることは少ないです(入居者への請求はあっても)。
ただ、他事業を同じ法人で運営していて取引先との紛争が起きた際には、債権保全の名目での口座預金や不動産自体への差押が行われるリスクがあります。特に、仮差押は裁判前であっても特定条件を満たせば比較的実行は可能であり注意が必要です。
反社会的勢力との取引から発生するリスクは、特に注意が必要です。知らなかったでは済まされない場合が多く、反社データベースなどの利用や、人脈確認を通じて事前にリスクを回避しましょう。
特に夜の付き合いや取引先調査・与信を十分にしない意図しない形で怪しい会社・人物との交流・取引が発生するなど、慎重にする必要があります。
発生時には何よりもまず現金を手元に置きましょう。一度、期限の利益が喪失された場合、現金が迅速な問題解決の唯一の方法です。そのため、流動性のある資産を確保しておくことが、最悪のシナリオに備える上で重要です。
いくら不動産投資規模が大きく、額面上の金融資産が多くとも、流動性資金が期限内に用意できない場合は、最終的には倒産や破産が避けられなくなります。
リスク判定表(リスク=影響×頻度)

【リスク判定ごとの説明一覧】
