新築不動産投資において、特に建築会社の経営が危機に瀕している場合、社長が夜逃げする事態は大家にとって重大な損失を招く可能性があります。

建築中の建物所有権は建築会社のものであり、その所有権が手放されないまま建築会社が倒産してしまったりすると、裁判所の破産管財人の処理が終わるまで何も進めることができなくなります(その期間中に金融機関とのトラブルが発生したりすると致命的な問題に発展します)。

▼トラブルの詳細解説

社長が夜逃げすると、覚書、合意書などの締結が非常にしにくくなります。また倒産防止共済なども社長の夜逃げは適用外ですし、その他の権利関係にまつわる問題は全て保留になります。

給料遅延が発生するため担当者の退職も急増します。この状態に陥ると問題解決のコミュケーションを取るための人物が存在しなくなり、返信・返答・資料の存在なども全てが不明瞭になってきます。

工事遅延もはじまり、現場規律も急速に悪化します。下請会社が一斉に手を引き始め、中には納入機材を回収する動きも出てきます。社長夜逃げの状態では、現場管理の規律はないに等しくなり、本来起こらないことが日常的に発生するようになります。

▼具体的な予防策と対応策

大家としては夜逃げ前の段階での取り組みを行うことができます。特約事項に、「〜日連絡がつかない」「〜回遅延が発生した場合」、など定量的な条件をトリガーとした契約解消条項を入れておき、発生時に自分が動く場合にも相手の合意が不要な状況にしておきます。

夜逃げしようとしている、もしくはした以上はあちらから連絡はありません。こちらから、必要と思われるアクションを仕掛けます。

夜逃げしようとしている、もしくは夜逃げした経営者に連絡ができるタイミングは恐らく最後の1回です。その最後のチャンスに「相手を罵倒する、責める」などをしてはいけません。どんなにはらわたが煮えくりかえっても、相手を理解し、そして自分も理解してもらいましょう。

Win - Winの関係を崩さない限り連絡は取り続けられます。相手の不安、心配を軽減する提案を用意してください。最終的にはその痛み分け提案が自分自身をも救うことになります。

リスク移転をしやすくする対応策も重要です。具体的には倒産防止共済を受けやすくするための書面合意締結、次の建築会社に委譲しやすくするための所有権に関する書面合意締結をします。もしくはリスクに対して融資してもらいやすくし、一点集中のキャッシュアウト→キャッシュアウト分散化を図るなどを行います(日本政策金融公庫の場合は経営環境変化対応資金などが該当)。

リスク判定表(リスク=影響×頻度)

【リスク判定ごとの説明一覧】